第207章 彼は明彦さんです

あっという間に三日が過ぎた。この三日間、伊井瀬奈は時折手足を動かすだけだった。

当直医が定期検診をしていると、彼女が目を開け、呆然と天井を見つめていることに気づいた。

医師は興奮のあまり、すぐに病室を飛び出し、ドアの外にいる家族にその心躍る知らせを告げた。

彼女の生命兆候はすでに正常範囲内に戻り、危険な状態を脱したため、医師は一般病棟への転院が可能だと告げた。

この知らせに、一家は家の商売で何十億稼いだ時よりも大喜びした。

伊井真はとっくに最高級のVIP豪華病室を手配していた。広く、採光も良く、サービスも一流だ。

伊井瀬奈はここがどこかもわからないまま、VIP病室へと運ばれた。

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