第222章 黒川社長、息子さんが来ました

「綺麗なお姉さん、社長に会わせてください」

受付の女性は、この子供の口ぶりに一瞬ギョッとした。社長は誰にでも気軽に会えるような人物ではない。黒川社長に会うには、少なくとも三日前の予約が必要だ。

彼女は辺りを見回した。この可愛らしい子は一人でロビーに現れ、周りには誰もいない。思わず好奇心が湧いてきた。

「坊や、社長に何の用かしら。黒川社長はとてもお忙しいのよ~」

伊井瀧は率直に言った。

「すごく大事なことを聞きたいんです」

パパとママがどうして一緒に住んでいないのか知りたかった。幼稚園の友達の花ちゃんのパパとママは同じ家に住んでいて、それにいつも一緒に彼女を迎えに来てくれる。

自...

ログインして続きを読む