第231章 風鈴

高井従は電話口でひたすら感謝していた。ジュエリー業界の重鎮である黒川颯が手を貸してくれるなら、これ以上ない助けだ。

「それは本当にありがたい。黒川さん、約束する。この件を解決してくれたら、俺は寝食を忘れて十日十晩徹夜してでも、例の『F』を引っ張り出してやる」

その『F』の名を聞くと、黒川颯は頭が痛くなった。今日、彼は携帯を新しくし、元の端末にあった有用なデータはすべて保存した上で、ローカルのデータは削除した。

もし『F』を捕まえ、心中の大きな患いを取り除くことができれば、高井従にどれほど感謝しても足りないだろう。

二人はこうして、互いの当面の難題を解決するために協力することを約束した...

ログインして続きを読む