第241章

赤井は笑みを浮かべたまま何も言わないが、心の中では全てお見通しだった。

この若者の傲岸不遜な性格では、誰かの恨みを買うのも珍しいことではない。

彼は執事に帳面を一つ持ってこさせると、黒川颯の前に押し出した。

「お前さん自身で選びなさい。気に入ったものがあれば言え、わしに遠慮はいらん」

黒川颯は遠慮などする男ではない。彼は直接帳面を開いて選び始め、全ての不動産にざっと目を通すと、最終的に安奈アトリエからほど近い一軒の物件に目標を定めた。

物件情報には、230平米のフラットタイプ、リバービュー、そして階層も彼の好みだと記されている。

「赤井さん、これを買わせてください」

赤井は茶を...

ログインして続きを読む