第244章

いっそのこと、とことん恥知らずでいよう。

面子か、妻か。彼の心の中には天秤があり、どちらが重いかを測っている。

追いかけると決めたなら、とことん追いかける。ほんの少しの困難で尻込みするなんて、彼の流儀ではない。諦めるという選択肢はあり得ないのだ。

陸上睦月はアシスタントから教えられた住所を頼りに、伊井瀬奈を個室へと案内した。

黒川颯は厚かましくもその後についていき、伊井瀬奈の隣に腰を下ろした。

ウェイターが三つメニューを運んでくると、数人が料理を注文し始めた。

陸上睦月「酢豚を一つ」

黒川颯は笑った。「瀬奈は甘いのは好きじゃない。海鮮が好みなんだ。S市揚げ魚を一つ」

陸上睦月...

ログインして続きを読む