第454章

黒川颯は伊井瀬奈の手を強く握りしめると、指を割り入れて強引に恋人繋ぎにした。

「悪いが、俺にはもう決まった相手がいる。他の女と連絡を取り合うつもりはない。それに、わけのわからないものを送ってくるのはやめてくれ。彼女が嫉妬する」

雨宮織音は悔しさのあまり地団駄を踏んだ。

「颯兄さん、ひ……酷いじゃない! 女の子に向かってそんな言い方ってある?」

「悪かったな。だが俺の目には、彼女以外の人間は性別などないも同然に映るんでね」

雨宮織音は顔から火が出るような屈辱を味わった。あれほど想い焦がれ、追いかけ回してきたというのに、相手は自分を異性として意識すらしていなかったのだ。かつて送りつけた...

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