第171章 毒が含まれているのか?

スローン視点

どれくらい眠っていたのだろう。重たい霧の底から、ようやく這い上がるように意識が浮上した。

鼻の奥を刺す、病院特有の消毒液の匂い。

ゆっくり瞼を開けると、目に飛び込んできたのはVIP病室の真っ白な天井だった。

「スローン……! 目ぇ覚めたか」

耳元で、掠れきった声が震えた。

顔を向けると、ベッド脇の椅子にジャレッドが座っていた。

――一晩で、十歳は老けたみたい。

端正だった顔は憔悴で塗りつぶされ、顎には青い無精ひげ。深い黒の瞳は血走り、目の下には濃い隈が落ちている。昨夜のままの皺だらけの部屋着。彼は私の手を両手で握りしめ、そのまま冷たい頬に押し当てていた。

「…...

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