第32章 そこまであの男を守るの?

スローン視点

イザベルは彼の目に宿った凶気にびくりと震え、反射的に半歩下がった。けれど口だけは折れない。

「ジャレッド、こいつの嘘に騙されちゃだめよ! こいつが――」

「俺の妻がどんな人間かは、俺のほうがよく分かってる」

ジャレッドは冷ややかに遮った。声の底には、抑えきれない苛立ちが滲んでいる。

キアラの目に、また涙が盛り上がる。彼女はイザベルの裾を掴み、おずおずとした声で言った。

「ジャレッド、ママのこと怒らないで……スローンのことも責めないで。全部、私のせいだから……」

「もういい」

ジャレッドの我慢がぷつんと切れた。彼はそのままスマホを取り、警備に電話を入れる。

「入...

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