第43章 離婚するよう求められる

スローン視点

そう言うと彼は手を放し、アイネイアスの後を追っていった。

男が去った瞬間、私たちのあいだに――言葉のない戦が、静かに幕を開ける。

アネットは笑みを崩さないまま、視線をゆっくりとケイラとイザベルへ滑らせた。声音は柔らかい。けれど、その奥には無視できない警告が沈んでいる。

「お客様には、お客様の分というものがありますわ。モントクレア家の宴は、誰でも好き勝手に騒げる場所ではありませんの」

ケイラとイザベルの顔色が、さっと青ざめた。

アネットはそれ以上ふたりに取り合わず、私の手をぽん、と軽く叩く。あたたかな声音で言った。

「奥さまたちにご挨拶してくるわ。あなたは気楽にして...

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