第5章

 

楓が小屋に戻ることはなかった。

大婆様が森の境界で待ち構えていたのだ。まるでどこを見るべきか正確に知っているかのように、暗闇の中に佇んでいた。その動きは素早く、安定しており、彼女の年齢の女が持つべき力を遥かに超えていた。千早の狼が、まだ彼女の中で真新しく息づいていたからだ。

楓は逃げなかった。命乞いもしなかった。

「あんたたちは私たちを家畜みたいに育ててる」彼女の声が林間の空き地に響き渡った。「丸々と太らせて、売り飛ばす。あんたは千早の狼を喰らった――あの子を吸い尽くして、抜け殻を捨てたのよ」彼女は震える拳を握りしめ、大婆様へと歩み寄った。「私が気づいていないとでも思った?」

楓...

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