第105章

報告ホールに戻った唐沢優子が真っ先にしたのは、スマホを取り出して人口百五十万人ほどの都市を検索することだった。

検索結果は、なんと百五十一都市。

人口爆発の時代、全世界の人口は二百五十億に達し、陸地は縮小、地球の許容量は超飽和状態となり、中・大規模都市が増加していた。

常住人口が百四十万から百六十万の範囲に絞っても、該当する都市は百を超える。この中から彼らが言っていた都市を特定するのは、至難の業だ。

唐沢優子の表情が険しくなる。

直感が告げていた。どこかの都市で何かがあったのだ、と。相馬宗希にあんな表情をさせるからには、ただ事であるはずがない。

少年は唐沢優子にぴったりとくっつい...

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