第127章

バベルタワーのランドマーク、塔型のオフィスビルの下で、武装した機動隊員が合図を送り、一団が音もなく階段へと潜入した。

ビル全体が暗闇に包まれている。電力回路は強制的に破壊され、予備発電機も、通路の非常灯もすべて壊されていた。

肉眼で確認できる範囲で、ビル全体が不気味な墨緑色の何かに覆われている。よく見ると、それは蔓のような触手状の物質だとわかる。

さらに肝を冷やすのは、その触手の一本一本に、毒を持つ鋭い角質の棘がびっしりと生えていることだ。

警備要員たちは消防配管を伝って静かに登っていったが、ようやくビルの高層階にたどり着いた時、そこががらんどうであることに気づいた。

最初に警報が...

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