第14章

瓦礫の山の中、新しく生まれたばかりの触手が素早く唐沢優子を包み込み、彼女を連れて猛スピードで攻撃を回避していく。

唐沢優子は、まるで隙間のない繭に閉じ込められたように感じた。彼の冷たい腰腹に無理やり体を押し付けられる。冷血動物のすべては冷たく、たとえ彼女に優しくても、温もりを感じることはない。

幾重にも重なる触手が彼女をぴっちりと包み込み、直後に浮遊感が襲ってきた。17号が高速で移動しているのだ。繭の中にいても目が回るほどの速さだった。

何が起きたのか?

17号の速度は、これまでに記録されたすべての軟体変異生物を上回っていた。赤外線カメラによる高速撮影で、かろうじてその影が捉えられた...

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