第23章

ここ数十年、雨水は大地を潤す恵みから、その名を聞くだけで顔色を変えるほどの災厄へと変貌した。

初めは自然を征服しようと意気込んでいた人類も、やがて自然からの制裁を受け、すべてが制御不能な未知の方向へと進んでいく。未来に人類を待ち受けているものが一体何なのか、誰にも分からなかった。

それは全く新しい種の審判か、それとも運命に抗い勝ち取る勝利か。

大雨の降る闇夜、ある者は気象水文センサーの最新監視データを眺め、ため息をつき続けていた。

「海面の平均値がまた上がった」

「この雨は一体いつまで続くんだ」

空はまるで誰かに無理やり引き裂かれ、異世界の洪水が流れ込んでいるかのようだ。この青い...

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