第256章

その声の方へと視線を向けると、少年の顔から驚喜の色が消え、廊下には誰もいなかった。

まるで、今しがたの声はただの錯覚だったかのようだ。

彼の背後では、様々な形状の異種生物たちが檻から這い出し、再び蠢き始め、彼に近寄ろうとしていた。

Tシャツに付着したままの淡い紫色の血液が、奴らを誘い出す餌となっていた。

少年は俯く。

思考は混乱していた。

青灰色をした醜い腕が、彼のシャツの裾を掴んだ。

口を開き、貪婪な色を浮かべる。まるでこの上なく魅力的なご馳走を目にしたかのように、一口で飲み込もうとしている。

ルシフェルは極度の嫌悪感を覚え、苛立ち紛れにその蛇の尾を持つ生物を振り払うと、冷...

ログインして続きを読む