第285章

唐沢優子はじっと少年の輪郭を見つめていた。

暗赤色の不気味な光が彼の背後から差し込み、地面も空も血をぶちまけたように、奇怪で艶やかな色合いを放っている。

この時空を輪廻する人々が、一度も目にしたことのない光景だった。

少年は逆光の中、一歩、また一歩と狭いトイレに足を踏み入れる。真っ白なシャツは血に染まり、その華奢な体からは、なぜか凄まじい圧迫感が放たれていた。

壁タイルの隙間、鏡の裏、部屋の隅……あらゆる薄暗い場所から、奇妙で粘ついた正体不明の物質が外へと伸びてくる。それは動き、目の前にある全てを獰猛に喰らい尽くそうとしていた。

少女たちはすでに恐怖で泣きじゃくり、かつて想いを寄せ...

ログインして続きを読む