第357章

怪物が寄生されるかどうかは、未知だ。

しかし、人間は明らかに寄生されうる。

冷たく漆黒の海水の中、誰かがゆっくりと溶けていく。

まるで溶けかけの氷のように、水の中へと消えようとしていた。

自ら命を絶つことを選んだ人間の大多数は、最後の瞬間に後悔するという。

だが、澪清司は違った。

彼は目を見開いていた。塩辛く冷たい海水が眼球を刺し、痛む。それでも彼は、自らが漆黒の深淵へと堕ちていくのをただ受け入れ、その視線は終始、一点の光を見つめ続けていた。

どこか諦めきれない思いがあった。

期待しているその人が現れるはずがないと分かっていながら、それでもありもしない期待を抱いてしまうのだ。...

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