第358章

この世界には何もない。

文字も、音も、日の出も日の入りもなく、ただ永遠の暗闇があるだけ。

唐沢優子はベッドに横たわり、時間は無限に引き伸ばされ、自分がここにどれくらいいるのか分からなくなっていた。

彼女はただ横になり、長すぎる時を耐え忍んでいた。

あの触手たちは、もはや軽々しく触れようとはしない。人間の脆さに驚いたかのようだ。

足元の床は、時折、柔らかく粘つく鮮やかな赤色に覆われる。まるで何かの動物の内臓のようだった。

血肉が蠢きながらベッドの傍らまで近づき、彼女を研究している。だが、触れようとはしない。

窓の外は、時として真紅に染まる。

部屋中が赤い光で満たされる時、それは...

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