第394章

山田は唐沢優子を海沿いのある場所へと連れて行った。

そこはぽつんと一軒だけ建っている高層ビルだった。

床から天井まである大きな窓の外には、どす黒い海水が見える。海面は上昇を続けており、多くの場所で建物が水没し、無数の臨海都市が消え去った。そこに住んでいた人々は高台へ移動しなければ、生きていくことはできない。

そのため、海浜地区から内陸部へ移住してきた大量の難民が、各バイオ基地の周辺に住み着き、そこは臨時居住区と呼ばれていた。

大半の地域は人が住める場所ではなく、謎の汚染物質に侵され、植物も生物も異変をきたした、地獄のような場所と化している。

この世界は、とうに安全ではなくなっていた...

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