第42章

これまで、これらの深海異種生物は軍隊や各生物研究機関によって秘密裏に管理され、その情報は固く封じられており、誰一人としてその存在を知る者はいなかった。

しかし、今回突如として出現した巨大な海棲怪物は、洪水のようにソーシャルネットワークを席巻し、人々の注目を集め、様々な非公式ニュースで報じられた。

誰もが移動端末となり得るこの時代、動画や写真はネット上で凄まじい勢いで拡散され、たとえ次の瞬間には情報が封鎖され、動画が削除されても、後から後からとアップロードし続ける者が絶えなかった。

目撃者があまりにも多すぎた。その『何か』は、海辺の都市を我が物顔で闊歩し、数千万人もの人々が、己の世界観を...

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