第81章

貪欲。それは、一度味わえば病みつきになる感情だ。

ひとたび貪欲の虜となれば、人は欲望の奴隷と化す。

感覚は鈍り、心は麻痺し、危険を顧みなくなる。

景山凛川は官能的な刺激に浸り、欲望によって見る影もなく歪められていた。

彼はまたしても実験体を地下の密室へと引きずり込んだ。

しかし、傀儡のように麻痺していたはずの少年は、彼を仰向けに突き放し、無表情に問いかけた。「どうして、今まで彼女に会わせてくれないんだ？」

脂ぎった男の身体はぶよぶよと締まりがなく、腹には贅肉が幾重にも重なっている。不意に押され、まるで死んだ魚のように秘密の部屋のベッドに仰向けに転がり、苛立たしげに荒い息をついた。...