第96章

津波が過ぎ去った後、空は再び雨を降らせ始めた。

九・四パーセント。これが残された陸地の割合だ。

この数字は一週間前と比べて〇・三パーセント減少しており、ごくわずかに聞こえる。

無数の沿岸都市、無数の海辺の建築物、無数の流浪する命、そのすべてがこの残酷な数字に含まれている。

百七十三万平方キロメートルが、この〇・三パーセントに相当するのだった。

唐沢優子は空を仰ぎ、この雨には何か法則があるような気がしてならなかった。

一見不規則に見えることも、きっと何かの前触れなのだ。突然降り積もる陰鬱な雨は、怪物の蔓延や流血事件の増加を引き起こすかもしれない。

治療センターを出た後、唐沢優子は...

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