第122章 この会社が君に与えるもの

遮光性の高いカーテンが引かれた室内は、真の闇に閉ざされていた。

速水ミオが部屋に入ってきた時、暗闇に目が慣れるまで数秒を要した。やがて、ベッドヘッドに背を預ける黒崎統夜の姿がぼんやりと浮かび上がる。

パチッ——

統夜がサイドテーブルのランプを点けた。

彼は部屋着に着替えておらず、ワイシャツ姿のままだった。生地には深い皺が刻まれている。

枕元には綺麗に畳まれたジャケットと、湯気を立てる水。

空気中には、柑橘の香りとアルコールの臭気が混じり合っていた。

統夜の表情は凪いだ水面のように静かで、その漆黒の瞳は真っ直ぐにミオを射抜いている。彼は他人行儀な響きで、短く言った。

「すまない...

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