第123章 真の奇怪

黒崎統夜が速水ミオのために用意した嫁入り道具は、あのAI企業だけではなかった。

その日の夜、村上が一千万円を下らないジュエリーセットと、黒崎統夜が彼女のために購入した株の合意書を届けに来たのだ。

合意書には、株による利益はすべて速水ミオのものとし、損失が出た場合は黒崎統夜が全額補填すると明記されていた。

それどころか、株式購入の元手さえも黒崎統夜が出資している。

速水ミオがその銘柄に目を通すと、ジュエリーデザイン関連の非常に勢いのある株で、まず損はしないだろうという優良株だった。

功無き者、禄を受けず。

あのAI企業に関しては、カノンのハッカーとしての才能への対価という言い訳も立...

ログインして続きを読む