第151章 速水ミオ、私を心配しているのか?

速水カノンと黒崎ユナは別の部屋で休んでおり、寝室には誰もいない。

速水ミオはバスルームへ逃げ込むと、熱いシャワーを浴びた。

立ち込める湯気が、胸の内の動揺を少しずつ溶かしていく。だが、肌に纏わりつく熱気は、あの黒尽くめの男の広い背中を否応なく思い出させた。

彼は泥まみれになりながらも、両手でミオの膝裏を支え、一歩一歩ゆっくりと進んでくれたのだ。

記憶に感覚を委ねていると、ふとある光景が蘇った。

路地裏を出る際、ミオが足をバタつかせた拍子に、彼が低く呻いたような気がしたのだ。

咄嗟に下を向いたとき、微かな光に照らされた地面に、点々と続く鮮やかな血痕が見えたような……。

混乱の中で...

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