第170章 アシスタントに応募する

「何だって?」

 八階のオフィスにその報せが届いた瞬間、アンナは手に持っていたファイルを力任せに叩きつけた。バサッという音と共に、挟まれていた書類が宙に舞い、床へと散らばっていく。

 だが、彼女はそんなことを気にする余裕などなかった。報せを持ってきた社員の胸倉を掴まんばかりの勢いで詰め寄る。

「氷室社長が速水ミオを九階に? しかも個室を与えて、一人に一人アシスタントまで付けるですって?」

 般若のような形相で五官を歪めるアンナに、社員は恐怖で息を呑んだ。ガタガタと震えながら、小さな声で肯定する。

「は、はい……氷室社長ご自身の指示です」

「それに、オフィスも社長が直接選ばれたそう...

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