第10章 母のお願い
エラは、全身の毛が逆立つほどに、周囲の魔力波動がますます強くなるのを感じていた。心臓が早鐘のように打ち鳴らされ、握りしめた手のひらにじっとりと汗が滲む。
間もなく魔導師級へと昇格する召喚士として、これが何を意味するのかはっきりと理解していた。
元素の試練と、内なる幻境。
二つの過酷な試練が、立て続けに我が身を襲う。それに自分が耐えられるかどうか、確信が持てなかった。
「……何かがおかしい」
エラは警戒しながらあたりを見回す。禁断の森に、乳白色の濃霧が立ち込め始めていた。さっきまで蠢いていた周囲の魔獣たちは、まるで何か強大な存在に威圧されたかのように、突如として鳴りを潜めて...
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チャプター
1. 第1章 運命を交換する
2. 第2章 前世の痛み
3. 第3章 暗影龍と主の契約
4. 第4章 暗影龍の嫉妬
5. 第5章 魔力と陰謀

6. 第6章 翡翠鳥の跡

7. 第7章 異変の影

8. 第8章 真相の暴露

9. 第9章 反撃

10. 第10章 母のお願い

11. 第11章 新しい章


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