第6章 翡翠鳥の跡

ノックスは巨大な暗影龍の姿となり、魔法小屋の外に立つ古木にそのしなやかな体を巻きつけていた。黄金色の竜の瞳は興味津々にきらめき、その長い尾はリズミカルにどすん、どすんと幹を叩いている。何か面白いことが起こるのを、今か今かと待ち構えているかのようだ。

少し離れた場所では、翡翠鳥がぽつんと佇んでいた。翠色の羽毛は陽光を浴びて宝石のように輝いているが、その目に宿る深い警戒の色は隠しきれていない。

彼は、魔力の泉に浸かって魔力を吸収しているノックスを、何かを計算するかのようにじっと見つめている。

それに気づいたノックスは、わざと人型に戻ると、濡れた体にローブを羽織り、挑発的な笑みを口元...

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