第133話

ザビエルは赤月の長く曲がりくねった石の廊下を歩きながら、吐き気を催さないようにひどく努力していた。収容者たちが生活していた状況を「悲惨」と呼ぶだけでは、あまりにも控えめな表現で、それを口にするには不健全なレベルの認知的不協和が必要だろう。

施設は巨大で、現在の収容者数をはるかに超える規模だった。だからこそ彼には理解できなかった。建物が比較的快適に一つの独房に二人の囚人を収容できるはずなのに、なぜこれほど多くの独房がその二倍から三倍もの人数で溢れかえっていた形跡があるのか。

そして不潔極まりなかった。収容者の寝室から食堂、シャワールームまで、目に見えるすべての表面は厚い汚れの層で覆われていた...

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