第50話

「なあ、ライス、お前ずいぶんとよく喋るな」ディランは無関心を装って椅子に深く腰掛けたが、隣に座っていたザビエルには、彼がストレスボールを強く握りしめている様子がはっきりと見えた。「残念なことに、重要なことは何も言ってないようだがな」

ライスは根拠のない優越感で顔を歪めた。「そこがまた間違いだ、王子様。過去の過ちを思い出すのは決して息の無駄じゃない。それを繰り返す運命にならないためにもな」

ザビエルは歯を食いしばり、歯がこすれ合うのを感じたが、なんとか自制心を保った。ライスが目の前にぶら下げた餌に飛びつくのを拒否した。この小僧は3年前の出来事の時、まだオムツを卒業したばかりだったのだ。

痛...

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