第51話

「わくわくしてる?!」アヴァがドアを開けると、ブレンは興奮で体を震わせていた。彼女は足の指先で上下に跳ね、腕に抱えた大きな箱の中身が彼女の動きに合わせて揺れていた。

アヴァは、ノアとの初めての正式なデートに対して、友人の半分でも熱意があればよかったのに。彼の契約はつい最近確定したばかりで、彼女は今、彼が望む限り彼の専属エスコートになることになった。

そしてすぐに、アヴァは想像もつかないほど、まして実際に使い切れないほどの大金を手にすることになる。すべてが現実味を帯びてきていた。有頂天になるべきなのに、今の彼女が感じるのは吐き気だけだった。

彼女はブレンに無理やり作った笑顔を向けた。「正直...

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