第55話

ノアは彼女の視線を捉えたまま、喉を鳴らして飲み込んだ。アヴァの告白に明らかに動揺していた。彼が驚いていたとしたら、彼女はさらに衝撃を受けていた。自分がそんな言葉を口にしたなんて、信じられなかった。

「あなたを信じてる」

自分の耳にさえ、それは荒唐無稽に聞こえた。アヴァはこの男を知らなかった。彼も彼女を知らなかった。それなのに彼女は、たとえ感じていたとしても、今まで誰にも言ったことがないような告白をしていた。アヴァにとって、誰かに信頼を寄せていると認めることは非現実的で危険なことだった。

むしろ彼に恋していると言った方がましだったかもしれない。どういうわけか、軽薄な愛の告白の方が恥ずかしく...

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