カミーユ

トリスタン視点

よりにもよってカミーユが、我が家の玄関先に立っているとは信じられなかった。彼女は、思ったより元気そうに見えた。悲しみで打ちひしがれているだろうと思っていたのだが。俺はまだ、この裁判沙汰のクソみたいな書類を手に、腹の底で怒りを煮えくり返らせていた。そんなところにカミーユが現れて、なぜこの家の話をしたいのか、さっぱり分からなかった。

俺は眉をひそめた。「どうしてこの家の話を……それに、俺に何の用だ?」と尋ねた。

「あら、義理の妹を中に招き入れてくれないのかしら?」

俺はため息をつき、ドアをさらに大きく開けて、彼女が入れるように脇へ寄った。「ありがとう」と彼女は言いながら中...

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