第12章 大恥をかく

「酒はあんたの母親が自分で選んだ。飲むと言い張ったのも本人だ。――それと、心晴さんの件だが」

古川雅哉はそこで言葉を切り、会場をひと撫でするように見回した。次の瞬間、口調から曖昧さが消える。

「彼女は終始、俺の視界の中にいた。手元だって一度も揺れていない。証言する。心晴さんは潔白だ」

言い切った途端、周囲の数人が二、三拍ぶん固まった。

古川雅哉は眉をわずかに上げ、淡々と問う。

「どうした? 今井社長は、俺が嘘をついているとでも」

「いっ……いえ! とんでもございません! 決して――!」

今井茂雄はその氷みたいな視線を浴びた瞬間、舌が縺れて言葉にならなくなる。

「古川社長がご覧...

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