監禁から1年、捨てられた令嬢は元婚約者の叔父を娶る

監禁から1年、捨てられた令嬢は元婚約者の叔父を娶る

鈴木楓花 · 連載中 · 164.6k 文字

893
トレンド
897
閲覧数
0
追加済み
本棚に追加
読み始める
共有:facebooktwitterpinterestwhatsappreddit

紹介

監禁から1年。ようやく帰宅した今井心晴を待っていたのは、変わり果てた日常だった。
家族は心晴を探そうともせず、あろうことか姉の今井優奈のために盛大な誕生日パーティーを開いていた。
しかも、その横には心晴の元婚約者の姿が……二人は婚約していたのだ。
しかし、心晴はただの被害者ではなかった。
彼女は人知れず巨額の資産と強大なコネクションを築き上げていたのだ。
真実を知った心晴は、復讐の狼煙を上げる。
彼女が選んだ新たなパートナーは、なんと元婚約者の叔父だった。
「これからは私のことを『おばさん』と呼ぶのよ、優奈!」

チャプター 1

今井心晴が誘拐されて一年――ようやく、家の門をくぐることができた。

彼女を送り届けたのは、地元の農夫だった。ぼろぼろのトラックに乗って、高級住宅街まで乗りつける。その場違いさが、ひどく目につく。

今井心晴が車を降りると、今井家は明々と照らされ、奥からはやわらかな音楽が流れてきた。どうやら、ずいぶん賑やかな夜らしい。

「お前んち、家族に大事にされてるんじゃなかったのか? 一年も行方知れずだったってのに、パーティーなんか開いてるのかよ?」

農夫は鼻をこすりながら、露骨な軽蔑をにじませて言った。

今井心晴の目には、ただ翳りだけが落ちていた。

嘘はついていない。誘拐される前、彼女はたしかに家族から宝物のように大切にされていた。なのに、たった一年で――もう忘れられてしまったのだろうか。

「言っとくが、送り届けたら礼をするって話だったろ。踏み倒すんじゃねえぞ」

念を押され、今井心晴は小さくうなずく。

彼女は誘拐犯に地下室へ閉じ込められ、丸一年を過ごした。もう死ぬしかないと覚悟した頃、偶然そこを通りかかった農夫に見つけられたのだ。

涙ながらに助けを求めても、農夫は誘拐犯を恐れてなかなか動こうとしなかった。そこで今井心晴は、自分が今井家の娘だと明かし、十分な謝礼を約束した。ようやく農夫はペンチで鉄格子を切り、彼女を外へ出してくれた。

助け出されてすぐ、彼女は家へ電話をかけた。だが家族は、相手が今井心晴本人だとはどうしても信じず、詐欺師だと怒鳴りつけた。

一年にわたる折檻で声帯は傷つき、声はひどく掠れていた。気づけなかったとしても、無理はない。

今井心晴はゆっくりと正門を押し開けた。

芝生には客が溢れ、シャンパンを片手に談笑している。

その中心にいたのは姉の今井優奈だった。華やかなドレスをまとい、両親に寄り添われて、幸福そのもののような笑みを浮かべている。

そこへ、白いスーツを纏った端正な男が歩み寄った。

男はやさしく身を屈め、今井優奈の頬に口づける。そして、甘く囁いた。

「誕生日おめでとう、優奈」

――雷に打たれたようだった。

今井心晴はその場で硬直し、全身がわなわなと震え出す。

その男は、幼なじみで婚約者だった古川俊哉。

かつて彼は彼女に誓った。守ると。愛し抜くと。一生そばにいると。

その同じやさしい目を、今は姉へ向けている。

視界がぐらりと揺れた。脚から力が抜け、立っているのもやっとだった。

そのとき、農夫が腹の底から怒鳴った。

「おーい! あんたんとこの嬢ちゃん、帰ってきたぞ! 迎えに来ねえのか!」

喧騒がぴたりと止む。

客たちはいっせいに門のほうを振り向き、今井心晴の姿を認めた瞬間、ざわめきが走った。

「……あれ、今井心晴? なんであんな姿に……」

「うわ、ホームレスみたい。汚いし、臭いし……」

「誘拐されてから毎日酷い目に遭わされて、病気までうつされたって聞いたけど。よく生きて帰ってこられたわね」

毒のある囁きが、針のように耳へ刺さる。

今井心晴は唇をきつく噛み、俯いた。

一年前の彼女は、この界隈でもひときわ目を引く名家の令嬢だった。礼儀も教養もあり、愛してくれる婚約者もいた。

それが今ではどうだ。全身に悪臭をまとい、人に避けられる汚れた女として見られている。

誰も知らない。彼女が必死に抵抗したことを。狂った誘拐犯たちに、決して屈しなかったことを。

だが犯人たちは、彼女から金になるものを引き出せないと悟るや、暗く湿った地下室へ閉じ込め、そのまま放置した。

一年ものあいだ、彼女の友は闇と糞尿だけだった。

誘拐犯の妻が憐れんで、ひそかに残飯を運んでくれなければ、とっくに死んでいたはずだ。

家へ帰れば悪夢は終わる。そう信じていた。

けれど待っていたのは、蔑みと、婚約者の裏切りだった。

両親は、娘の変わり果てた姿を見た瞬間、顔の笑みを凍りつかせた。

ぼろぼろの服の隙間から覗く肌は泥と垢にまみれ、しなやかだった長い髪は乾いて絡まりきっている。しかも数メートル離れていても、腐ったような臭気が鼻をついた。

「……心晴、本当にあなたなの?」

母の今井洋子は口元を押さえ、喜びよりも衝撃のほうが強い目で問いかけた。

父の今井茂雄は複雑そうな顔で娘を見つめ、ぎこちない声を絞り出す。

「戻ってきたなら……それでいい。ああ、戻ってきたならな……」

姉の今井優奈も一瞬だけ固まったが、すぐに作り笑いを浮かべた。

「心晴……帰ってこられて、本当によかった……みんな、ずっと心配してたのよ……」

言葉はやさしい。けれど、その顔に浮かぶ嫌悪と距離感までは隠しきれない。

今井心晴は何も言えなかった。胸を鈍器で殴られたみたいに痛くて、息が詰まる。

「おい、俺はちゃんと無事に送り届けたんだぞ。報酬はどうした?」

農夫が苛立たしげに割って入る。

今井茂雄夫妻は怪訝そうに今井心晴を見た。

今井心晴はこくりとうなずき、掠れた声で言った。

「……彼が連れて帰ってくれたら、きちんとお礼をすると約束しました」

夫妻は顔を見合わせ、それから農夫の薄汚れた身なりに目をやり、眉をひそめた。

今井茂雄が咳払いをひとつして尋ねる。

「いくら欲しいんだ?」

農夫は指を五本立てた。

「1000万だ。1円たりとも負けねえ」

その場の空気がすっと冷える。

金額そのものは、今井家にとって払えない額ではない。だが、土臭い農夫相手にその金を出すのは業腹――そんな本音が、ありありと顔に出ていた。

今井心晴の胸は、すうっと冷えた。

かつてあれほど可愛がってくれた両親が、今の自分のためには1000万すら惜しむのか。

今井茂雄は少し考え込み、それから愛想のいい笑みを浮かべた。

「娘を助けてくださって、本当に感謝しています。遠くからお疲れでしょう。よければまずはうちに泊まって、数日ゆっくりしてください。お礼の件は、そのあとで改めて――」

農夫は豪勢な邸宅を見回し、悪くない話だと思ったのか、素直にうなずいた。

すると客たちが、またひそひそと囁き始める。

「見た? あの農夫の目つき……気味悪い。まさか今井心晴、あいつに何かされてたりして」

「一年も消えてたんでしょ。何されてたか分かったもんじゃないわ。もう男に散々弄ばれてるんじゃない?」

言葉がぐさぐさと胸に刺さる。

今井心晴は芯まで冷えきり、指先まで震えた。

「もう外に突っ立ってないで」

今井洋子が周囲の視線に耐えかねたように言った。声には隠しきれない嫌悪がにじんでいる。

「上に行って、お風呂に入りなさい。その汚い服も着替えて」

今井心晴は無表情のまま、メイドに導かれて二階へ上がった。

浴室で肌がひりつくほど身体をこすっても、臭いは落ちない。地下室に染みついた腐臭は毛穴の奥まで染み込み、かつての輝きを根こそぎ奪っていた。

清潔な服に着替え、浴室を出る。二階の階段の踊り場に差しかかった、そのとき――。

「俊哉……心晴が帰ってきたなら、私のこと……もういらないの?」

今井優奈の、泣き声まじりの声。

続いて、古川俊哉の冷えきった声が響いた。

「今井心晴は一年も行方不明だったんだ。何人の男に触られたかも分からない。そんな女、俺はもう要らない。今、俺が愛してるのはお前だよ、優奈」

最新チャプター

おすすめ 😍

今さら私の墓前で悔いるな

今さら私の墓前で悔いるな

37.9k 閲覧数 · 連載中 · 神奈木
あの頃、私はまだ木村家の長女だった。
学校は私にとって、遊び場が変わっただけのようなものだった。
けれど、私は次第に気づいていった。どの授業でも一番前の席には、いつも同じ真面目な男子学生が座っていることに。
そして、いつも学校の一等奨学金が、同じ名前の生徒に贈られることに。山本宏樹。
いつからか、私は彼の後を追いかけるようになっていた。
大学の卒業式で、山本宏樹は奨学金を得た優秀な卒業生だった。
彼は卒業生代表の挨拶の場で、私が彼の恋人だと公言し、全校生徒数万人の前でプロポーズしてくれた。
あの頃、彼は前途有望な若き社長で、卒業前からすでに自分の会社を立ち上げていた。
一方の私は、骨肉腫だと診断されたばかりで、明日の太陽を見ることさえ贅沢な望みだった。
私は彼のプロポーズを断り、それから治療のために海外へ渡った。
しかし誰もが、私が貧乏な若者である彼を見下し、金持ちの御曹司に乗り換えて海外へ行ったのだと思っていた。
帰国後、彼は私に五百万円を投げつけ、彼と結婚するように言った。
溺愛令嬢の正体は、まさかの霊能界トップ!?

溺愛令嬢の正体は、まさかの霊能界トップ!?

235.8k 閲覧数 · 連載中 · 朝霧祈
原口家に取り違えられた本物のお嬢様・原田麻友は、ようやく本家の原田家に戻された。
──が、彼女は社交界に背を向け、「配信者」として自由気ままに活動を始める。
江城市の上流社会はこぞって彼女の失敗を待ち構えていた。
だが、待てど暮らせど笑い話は聞こえてこない。
代わりに、次々と大物たちが彼女の配信に押しかけてくるのだった。
「マスター、俺の命を救ってくれ!」──某財閥の若社長
「マスター、厄介な女運を断ち切って!」──人気俳優
「マスター、研究所の風水を見てほしい!」──天才科学者
そして、ひときわ怪しい声が囁く。
「……まゆ、俺の嫁だろ? ギュってさせろ。」
視聴者たち:「なんであの人だけ扱いが違うの!?」
原田麻友:「……私も知りたいわ。」
ブサイクな男と結婚?ありえない

ブサイクな男と結婚?ありえない

97.5k 閲覧数 · 連載中 · 来世こそは猫
意地悪な義理の姉が、私の兄の命を人質に取り、噂では言い表せないほど醜い男との結婚を強要してきました。私には選択の余地がありませんでした。

しかし、結婚後、その男は決して醜くなどなく、それどころか、ハンサムで魅力的で、しかも億万長者だったことが分かったのです!
不倫夫を捨てた夜、私は新しい彼に抱かれる

不倫夫を捨てた夜、私は新しい彼に抱かれる

556.5k 閲覧数 · 連載中 · 七海
初恋から結婚まで、片時も離れなかった私たち。
しかし結婚7年目、夫は秘書との不倫に溺れた。

私の誕生日に愛人と旅行に行き、結婚記念日にはあろうことか、私たちの寝室で彼女を抱いた夫。
心が壊れた私は、彼を騙して離婚届にサインをさせた。

「どうせ俺から離れられないだろう」
そう高をくくっていた夫の顔に、受理された離婚届を叩きつける。

「今この瞬間から、私の人生から消え失せて!」

初めて焦燥に駆られ、すがりついてくる夫。
その夜、鳴り止まない私のスマホに出たのは、新しい恋人の彼だった。

「知らないのか?」
受話器の向こうで、彼は低く笑った。
「良き元カレというのは、死人のように静かなものだよ?」

「彼女を出せ!」と激昂する元夫に、彼は冷たく言い放つ。

「それは無理だね」
私の寝顔に優しくキスを落としながら、彼は勝ち誇ったように告げた。
「彼女はクタクタになって、さっき眠ってしまったから」
婚約破棄後、私はヤクザの組長と結婚した

婚約破棄後、私はヤクザの組長と結婚した

28.3k 閲覧数 · 連載中 · やもり
裏切りと陰謀が渦巻く世界で、妃那(えな)は突然の誘拐事件に巻き込まれる。
救いの手を差し伸べたのは謎めいた男・葉夜(かなや)だったが、彼の真意は読めない。
一方、妃那の宿敵であり自信家の祈葉(いのか)は、自らの美貌と魅力を武器に黒社会の頂点を目指すが、
思いもよらぬ残酷な試練に追い込まれていく。
誤解と嫉妬、愛と憎しみが絡み合い、
それぞれの思惑がやがて一つの危険な運命へと収束していく――。
最強ベビーと難攻不落のママ

最強ベビーと難攻不落のママ

19.5k 閲覧数 · 連載中 · 彩月遥
母親が再婚したため、田中春奈はずっと自分が家の中で異質な存在だと感じており、義父や姉との関係も良くなかった。
しかし、思いもよらない策略による一夜の過ちで、田中春奈は家を追い出され、故郷を離れて海外で学業を続けることになった。
その間、彼女はあの正体不明の男性の子を妊娠していることに気づく。
迷った末、彼女は子どもを産むことを決意した。
5年後、故郷に戻った彼女は江口匠海と出会い、次第に彼に惹かれていく。
しかし、ある事故をきっかけに、あのときの男性が彼であったことを知るのだった。
「もう疲れた」不倫夫を捨て、自由になる

「もう疲れた」不倫夫を捨て、自由になる

36.7k 閲覧数 · 連載中 · 青木月
結婚して5年。
数日前には幼馴染と楽しげに戯れていた夫が、今度は初恋の女を連れてホテルの入り口へと消えていく。

二人は人目もはばからず、濃厚な口づけを交わしていた。
夫の腕の中にいる女は、潤んだ瞳で彼を見つめている。一見すると純情そうだが、その眼の奥には私への明らかな悪意が潜んでいた。

妻である私は、ただその場に立ち尽くすしかなかった。
爪が掌に食い込み、血が滲む。
けれど、手の痛みより、引き裂かれた心の痛みのほうが遥かに強かった。

冷たい風が、私の髪を揺らす。
その瞬間、ふと強烈な疲れを感じた。

ああ、もういいや。
5年間の結婚生活。
私は彼を許すのをやめ、自分自身を解放することにした。
本物令嬢の正体がばれました

本物令嬢の正体がばれました

40.6k 閲覧数 · 連載中 · ワニノコ
新谷南は新谷家で二十年も育てられたのに、本当の娘が戻ってきた途端、あっさり家を追い出された。

デザイン部のディレクターの席? 本当の娘へ。
何千万円もの価値がある婚約話? 本当の娘へ。

会社中の人間が、彼女という「野良扱いの娘」がどう転げ落ちていくか、笑いものにしようと様子をうかがっていた。

そんなある日、世界限定二十台の高級バイクが会社の前に止まる。降りてきた不良っぽいイケメンが言った。

「妹、兄貴と一緒に帰るぞ」

新谷家の人間「……は?」

そのあとで彼らはようやく知ることになる。

彼女こそ、国内外の美術館の館長たちが面会待ちの列を作る「南先生」と呼ばれるアーティストであり、
新谷グループの全受賞特許の名義人であり、
さらに、伝説の「国家並みの資産を持つ」と噂される周防家の、本当の長女だということを。

大手財閥の若き当主は、封印していた婚約書を取り出し、薄く唇を吊り上げる。

「なるほど。俺の本当の婚約者は、君だったわけか」
転生して、家族全員に跪いて懺悔させる

転生して、家族全員に跪いて懺悔させる

272k 閲覧数 · 連載中 · 青凪
婚約者が浮気していたなんて、しかもその相手が私の実の妹だったなんて!
婚約者にも妹にも裏切られた私。
さらに悲惨なことに、二人は私の手足を切り落とし、舌を抜き、目の前で体を重ね、そして私を残酷に殺したのです!
骨の髄まで憎い...
しかし幸いなことに、運命の糸が絡み合い、私は蘇ったのです!
二度目の人生、今度は自分のために生き、芸能界の女王になってみせる!
復讐を果たす!
かつて私をいじめ、傷つけた者たちには、十倍の報いを受けさせてやる...
家族の縁を切った日、兄たちはすべてを失った

家族の縁を切った日、兄たちはすべてを失った

282.7k 閲覧数 · 連載中 · 風見リン
前の人生で両親が交通事故で亡くなった後、長兄は世間体を気にして、事故を起こした運転手の娘を家に引き取った。
公平を期すという名目のもと、兄たちは彼女からリソースを根こそぎ奪い、その尊厳を踏みにじってまで、運転手の娘を支えた。
彼女は兄たちのためにすべてを捧げたというのに、家を追い出され、無残に死んだ。

生まれ変わった今、彼女は人助けの精神などかなぐり捨てた。許さない、和解しない。あなたたちはあなたたちで固まっていればいい。私は一人、輝くだけ。

兄たちは皆、彼女がただ意地を張っているだけだと思っていた。三日もすれば泣きついて戻ってくるだろうと高を括っていたのだ。
だが三日経ち、また三日経っても彼女は戻らない。兄たちは次第に焦り始めた。

長兄:「なぜ最近、こんなに体調が悪いんだ?」――彼女がもう滋養強壮剤を届けてくれないからだ。
次兄:「会社のファイアウォールは、なぜこうも問題ばかり起こす?」――彼女がメンテナンスに来なくなったからだ。
三兄:「新薬の開発が遅々として進まないのはなぜだ?」――彼女が治験をしなくなったからだ。
四兄:「どうしてこんなにつまらない脚本しか上がってこない?」――彼女がもう執筆しないからだ。
五兄:「この義肢は、なぜこんなに出来が悪いんだ?」――彼女が製作をやめたからだ。
六兄:「なぜチームが負けた?」――彼女が脱退したからだ。

兄たちは地に膝をついて許しを請うた。「戻ってきてくれ。俺たちこそが、血を分けた本当の家族じゃないか」

彼女は絶縁状を兄たちの顔に叩きつけ、冷ややかに笑った。
「車が壁にぶつかってから、ようやくハンドルを切ることを覚えたのね。株が上がってから、ようやく買うことを覚え、罪を犯して判決が下ってから、ようやく悔い改めることを覚えた。残念だけど、私は――許さない!」
私の障害のある夫は闇の帝王

私の障害のある夫は闇の帝王

38.3k 閲覧数 · 連載中 · 南ちゃん
「これは俺を誘惑する手段か?」蒼司は目の前の薄い寝間着を身に纏った女を見つめた。彼女の完璧な身体の曲線が目の前に晒されている。

「認めよう、俺はお前に惹かれている」

蒼司は勢いよく頭を下げ、薄い唇で私の鎖骨に噛みつき、指先は私の胸の豊かな膨らみから下へと辿り、両脚の間に押し入った。

私は彼にベッドに押し倒され、彼が私の身体にもたらす快感を感じていた。

「いい子にして、俺を受け入れろ」蒼司は勢いよく私を貫いた。


元夫と従妹の裏切りに遭った後、会社の損失を補うため、未来は身体障害で顔に傷を負った蒼司と契約結婚することになった。

しかしある事故で未来は発見する。蒼司は顔に傷もなく、身体障害でもなく、それどころかこの街全体を支配する闇の帝王だったのだ。

未来は恐れ、この恐ろしい男から逃げ出そうとするが、蒼司は何度も彼女を連れ戻す。「契約は無効だ。俺はお前の身体だけでなく、心も欲しい」

今度こそ、彼女は本当にこの危険な男を愛してしまうのだろうか?
跡継ぎ問題に悩む御曹司様、私がお世継ぎを産んで差し上げます~十代続いた一人っ子家系に、まさかの四つ子が大誕生!~

跡継ぎ問題に悩む御曹司様、私がお世継ぎを産んで差し上げます~十代続いた一人っ子家系に、まさかの四つ子が大誕生!~

152.5k 閲覧数 · 連載中 · 蜜柑
六年前、藤堂光瑠は身覚えのない一夜を過ごした。夫の薄井宴は「貞操観念が足りない」と激怒し、離婚届を突きつけて家から追い出した。
それから六年後——光瑠が子どもたちを連れて帰ってきた。その中に、幼い頃の自分にそっくりの少年の顔を見た瞬間、宴はすべてを悟る。あの夜の“よこしまな男”は、まさに自分自身だったのだ!
後悔と狂喜に押し流され、クールだった社長の仮面は剥がれ落ちた。今や彼は妻の元へ戻るため、ストーカーのようにまとわりつき、「今夜こそは……」とベッドの隙間をうかがう毎日。
しかし、彼女が他人と再婚すると知った時、宴の我慢は限界を超えた。式場に殴り込み、ガシャーン!と宴の席をめちゃくちゃに破壊し、宴の手を握りしめて歯ぎしりしながら咆哮する。「おい、俺という夫が、まだ生きているっていうのに……!」
周りの人々は仰天、「ええっ?!あの薄井さんが!?」