第23章 見せ場

今井心晴は眉をひょいと持ち上げ、指先で画面を素早く叩いた。

【K:Mさん、耳が早いですね。まあ、ついでに手を貸しただけですけど。それより、最近のMさんはずいぶんお暇で?】

【M:まあな。最近H市で“獲物”を見つけた。いま観察中だ】

――獲物。

その二文字が目に入った瞬間、今井心晴は思わず眉根を寄せた。Mが「獲物」と呼ぶ相手など、ろくな目に遭わないに決まっている。

さらに探りを入れようとした、そのとき。

視界の端に、見覚えのある影がふいに滑り込んできた。

十メートルも離れていないソファに、古川雅哉が腰を下ろしている。

今井心晴は反射的に身体を強張らせ、つばの影が深く落ちるよう帽...

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