第26章 人目を惹いて歩く

古川俊哉は、彼女のあのふてぶてしい態度を目にした瞬間、顔色が一気に沈んだ。

昨夜は今井優奈に一晩中泣き喚かれて、いまも頭の芯がズキズキする。ようやく宥めきって、今日は車を見に行って、それから家も――そう約束したばかりだというのに、外へ出た途端、目の前に現れたのがこの元凶だった。

「今井心晴! よくもそんな口が利けるな!」

車内でそれを見ていた今井優奈は、赤いマセラティが視界に入っただけで目が焼けるように痛んだ。あれは本来、自分の金であるべきだった。古川俊哉が自分を裏切った証拠、そのもの。

「家の中はめちゃくちゃにするし、パパとママは半分死にかけてるし! そのくせ、その車で平気で出歩く...

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