第28章 変温動物

彼女は一歩、また一歩と三人に近づいた。すると三人は怯えたように、揃ってじりじりと後ずさる。

「今井心晴! 止まれ! こっちに来るな!」

「お父さん、さっき『叩き潰す』って言ってたよね?」今井心晴は無垢な大きな目をぱちぱちさせる。「この子、クロちゃんって言うの。かわいいでしょ?」

「クロちゃん?」今井優奈は背後に隠れるようにしながら、歯ぎしりした。「ダッサ。最悪の名前!」

今井心晴はくすりと笑い、その視線を今井優奈の青白く歪んだ顔へ落とす。

「本当は『優奈』ってつけようかと思ってたんだ。あなたと同じで冷血だし、暗いところでこそこそ這い回るのが好きそうだし。でもね……考え直したの。クロ...

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