第42章 運が悪い

「古川社長、考えすぎです」

今井心晴は目を閉じ、瞳の奥の揺れを押し殺す。「運が悪かっただけ。飲酒運転のイカれたやつにぶつかったの」

「飲酒運転?」古川雅哉は鼻で笑い、縫合糸をちょきんと切った。「運転手はもう確保した。だが防犯カメラを洗ったら、あのトラックはお前が家を出た瞬間からずっと後ろに付いてた。今井心晴――お前、厄介ごとに首を突っ込んでるな」

今井心晴は黙った。古川雅哉みたいな男に、嘘が通るはずがない。なら、答えないほうがましだ。

「よし、終わりだ」

古川雅哉は手袋を外し、ガーゼを取ってきて手際よく包帯を巻く。「入院して経過観察。最低でも三日は必要だ」

「しない」

今井心晴...

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