第43章 彼女に何かあった

今井心晴が顔から地面に突っ込みそうになった、その瞬間だった。

力強い大きな手が、彼女の腰を確かに受け止める。

次いで、あの懐かしい香りがふわりと彼女を包んだ。

古川雅哉はいつの間に回り込んだのか、片手で腰を支え、もう片方の手を膝裏に差し入れると、いとも簡単に彼女を横抱きにした。

「死にたくないなら、無理すんな」

頭上から落とされた声は、冷たかった。

そのまま大股で別荘の正門へ向かい、言う。

「暗証番号」

「え? あ、えっと……888888!」

橋本恵理は一瞬きょとんとしてから、慌てて数字を口にした。

……この番号。

古川雅哉の口元が、ぴくりと引きつる。

ひどく単純で乱...

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