第56章 落とし前をつける

「払うって言ったら払う! 私、お金あるし!」

今井心晴は引かなかった。

「金がある?」

古川雅哉が鼻で笑い、床一面の惨状へ視線を落とす。

「その金、いま全部水に浸かってるだろ。……それに、覚え違いじゃなけりゃ、キャッシュカードもその中じゃないか?」

「…………」

――やばい。

財布、たしかに……水没した棚の中に入れっぱなしだった気がする。

今井心晴が言い返せなくなったのを見て、古川雅哉の機嫌はようやく少しだけ持ち直したらしい。

これ以上そこを責め立てることはせず、隣の秘書へ顔を向ける。

「修理班を入れろ。配管は全部交換。あと、いちばん腕のいい清掃業者を呼んで、ここをきれい...

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