第8章 証拠を押さえる

「いい加減にして。……品がないわ」

今井心晴は声を落とし、伸びてきた手をひらりと避けて鼻で笑った。

「あなたを見た女が全員、気を引こうとしてると思ってるの? 自意識過剰は病気よ。治療が必要ね」

棘のある言い回しにも、古川雅哉は怒らない。むしろ眉を持ち上げ、瞳の奥の興が濃くなった。

「へえ? 目つきだけじゃない。その口も……よく似てる」

ふいに距離を詰めてくる。鼻先が今井心晴のマスクに触れそうになり、熱い息が頬を撫でた。

「今朝も、同じ言い方をする女がいた。度胸があって、面白い」

今井心晴の瞳がわずかに縮む。

――まずい。こいつ、勘が鋭すぎる。

目しか見せていない。たった一言...

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