第6章

朝倉奏子視点

手術は六時間に及んだ。私は病院の待合室の椅子に身を沈め、雑誌を漫然とめくり、時折スマホをチェックしていた。深夜〇時ごろ、安良先生が疲れ切った様子で出てきた。

「朝倉さん、残念です。我々は全力を尽くしました」

中守幸希は手術台の上で死んだ。彼の身体が、その負荷に耐えられなかったのだ。

「わかりました」

私はゆっくりと立ち上がりながら言った。

「今後の手続きは?」

安良先生は事務手続きや今後の手順、ご遺体の処置についての選択肢を説明した。私は注意深く耳を傾け、素早く決断を下した。

「すぐに火葬してください」

私は言った。

「可能であれば、今日中に」

...

ログインして続きを読む