第13章

 夏川勝也は信じられなかった。兄が、鈴鹿柚葉のために自分を追い出そうとしているなんて。

「はいはいはい。お前らはみんなあいつの味方で、悪者は俺だけってわけだ」

 そう吐き捨てると、夏川勝也はドアを叩きつけるように出ていった。

 バタン――。

 鈴鹿柚葉の耳にも、やけに大きな音が残った。

 使用人が牛乳の入ったグラスをそっと手元に置き、おずおずと口を開く。

「お嬢様、三男様は……ああいう性分でして。どうかお気になさらず」

 鈴鹿柚葉は小さく笑う。

「大丈夫。気にしてない」

 朝食を済ませると、自室へ戻ってそのまま眠った。

 傷は伊能家にいる間に処置してある。大したことはない...

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