第15章

 鈴鹿柚葉は即座に通話を取った。

「調べついた?」

『張りつけって言ってた院長、十分前に地下の拳闘場へ行きました……』

 鈴鹿柚葉の目つきがすっと鋭くなる。

「場所、送って」

『了解』

 通話を切ると、すぐに拳闘場の住所が届いた。

 伊能黎真が首を傾げて彼女を見る。

「急用か?」

「前に仁生病院の院長を見張らせてたの。十分前に地下の拳闘場へ行ったって」

 伊能黎真は住所を一瞥するなり、

「一緒に行く」

 と短く言った。

 四十分あまり。黒い高級車が、灰色の古い工場跡みたいな建物の前で止まった。外には車がずらり。安そうなのも高そうなのも入り混じっている。

 入口に立...

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