第27章

「だから言ったじゃない……あの子、家に戻ってきたとき、なんであんなに痩せてたのよ。外で相当苦労したに決まってるのに、本人は『平気』だなんて……」

 山瀬美玖は今にも泣き出しそうだった。

「鈴鹿家にずっと大事にされてたなら、わざわざ起業なんてしないでしょ? きっと、ずっと辛い思いを……」

 鈴鹿柚葉はその言葉を聞いて、泣き笑いみたいな気持ちになりながら、胸の奥がじんわり温かくなった。

 彼女はリビングに戻り、笑って口を開く。

「ママ、今の話、聞こえちゃった。ほんとに大丈夫だよ。会社も前からあったし、最近慌てて作ったわけじゃない。苦労ってほどでもないよ」

 山瀬美玖はまだ何か言おうと...

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