第44章

 翌日の午前、講義が終わると、鈴鹿柚葉は学食へ向かった。

 大学の食堂はメニューが豊富で、味も悪くない。午後に授業がある日は最近ずっとここで昼を済ませている。食べ終えたら、そのまま研究室へ直行できて楽だからだ。

 トレーを手に席を探していると、周囲のテーブルから向けられる視線が、どこかおかしいことに気づいた。やけに含みのある顔。面白いものでも見に来たみたいな。

 柚葉はわずかに眉をひそめた。

 ……何?

 気味が悪い。

 けれど気に留めるほどでもない。空いている席に座り、食事をしながらスマホを眺める。腹を満たし、食器を返却口のバケツに戻して食堂を出た。

 その背中を見送るように...

ログインして続きを読む