第45章

 ほどなくして、中村美保から返信が来た。

『私も見たよ。誰が書いたのか分かんないけど、デマ流すとか性格悪すぎ。……でもさ、あの子まだ来たばっかりなのに、個人研究室持ってるんだよ? そりゃ妬まれるって』

 夏川音子は口の端をわずかに持ち上げる。

『普段、研究室で忙しそう?』

『分かんない。うちら同じエリアじゃないし。あっちは渡辺先生が区切ってる場所で、あんまり顔合わせないんだよね』

 音子はそれ以上、掘り下げなかった。胸の奥が、すうっと晴れていく。

 鈴鹿柚葉の評判が落ちれば、伊能家だって彼女を伊能の奥さんにするのを渋るはずだ。

     *

 夕方。鈴鹿柚葉は実験の最後の工程...

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