第46章

中村美保の瞳の奥で、濃い怨嗟が渦を巻いていた。研究室で二年も働いたのに、渡辺教授は「もう要らない」の一言で切り捨て、取りつく島すら残さなかった。おまけに……いまや学内中が、彼女が意図的にデマを流したのだと知っている。

記録には大きな処分まで付いた。鈴鹿柚葉さえいなければ、自分がこんなところまで落ちるはずがないのに。

【今どこにいる? 会いに行く】

中村美保は少し迷ってから、結局返した。

【外のホテル】

時間はあっという間に過ぎ、気づけば数日が経っていた。

この数日、夏川勝也は家に戻っても口数が明らかに減り、もう自分から夏川音子を訪ねることもない。

夏川音子は胸の奥がざわついて落...

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