第49章

 鈴鹿柚葉は伊能黎真と手を繋いだまま、彼の前にやって来て腰を下ろした。

 山瀬織斗は伊能黎真を一瞥し、次に鈴鹿柚葉へ視線を移すと、目を丸くする。

「従姉、なんでそいつまで連れてきたんだよ?」

 正直、伊能黎真みたいな圧の強いタイプと一緒に遊びたくはない。

「何か問題ある?」

 柚葉はテーブルの酒のメニューを手に取り、さらりと捲りながら言った。

「今は私の彼氏だから」

 織斗は目を見開く。

「はぁ!? マジ!? じゃあ婚約、やる気になったってことか?」

「婚約は関係ない」

 柚葉はそれ以上、説明しなかった。気に入らないなら、婚約があろうがなかろうが破棄するだけだ。

 まさ...

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